日本の医療業界の課題として、慢性的な人材不足が挙げられます。人材不足に陥っている理由については、高齢化社会が関係しているのが実情です。65歳を超える年齢になると、免疫機能や筋肉の衰えによって病気や怪我をするリスクが増えるため、医療機関の利用率が増えます。医療機関の利用率が増えても、医療従事者の人数や病床が足りていれば問題ありません。しかし、長い景気低迷により経営にも影響が出ており、スタッフや病床の数を減らさざるを得なくなっているのです。
そこに輪をかけたように増加した入院患者によって、医療従事者の負担も増え、多忙による心身の疲労で退職者が増えてしまう悪循環にあります。さらに、少子化で今後は医療従事者自体の数が、少なくなることが予見されているのです。この課題をクリアするためには、これまでの医療の考えを改める必要があります。医療従事者に対して年齢や経験を問わず、給料を増額することでモチベーションを高める方法があるでしょう。
そして、医療従事者が減少する背景には医療訴訟もあります。そこで、カルテや医療の工程を第3者目線による専門機関が記録し、問題が起きた時に第3者機関が間に入って仲介をするのです。医療従事者自身の負担を減らすために、IT技術を使って情報が共有されます。そのうえで、老若問わずに病気や怪我の発生リスクを抑えるため、これまで培った知識から応用できる技術を伝えることで、健康意識を高めることも大切です。